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6月下旬の北海道旅

(その10 西山山麓火口散策)

 洞爺カルデラの南壁に位置する有珠山は、今から1万年前(沖積世の初め)に活動を開始。外輪山と中央火口丘からなる二重式火山で現在も活発な噴火活動を続けている活火山です。

 有史時代の有珠山火山活動は 1663年の噴火から最近の2000年の噴火まで8回が記録されている。 特に1944年第6次噴火で火口東南側に噴火し、昭和新山を生成した。

 最新では2000年3月31日 西山山麓からマグマ水蒸気爆発を起こし、西山西麓、また温泉街に近い金比羅山でも新火口が開いた。西山・金毘羅とも付近に次々と新しい火口を形成した。同年8月になると深部からのマグマ供給が停止し、9月以降は空振や火山灰噴出の活動は衰えて現在に至っている。 

 今回はこの中で 有珠山の東西に位置する西山山麓火口散策路と昭和新山を紹介する。

マグマ活動でつくられた地溝と火口:
 2000年有珠山噴火では西山山麓での火口や断層形成と潜在ドームの成長に伴って国道230号は原状復帰が不能な程度に破壊された。
 すなわち潜在ドームが高さ70~75mほども成長し、下り坂の国道230号は持ち上げられ(ピンク色の部分)、登り坂に一変、その境界は雨水等で湖水となってしまった。

 国道は別ルートで再建されたため、火口、地面の傾動、伸長変形、圧縮変形が原型のまま保存され、西山山麓火口散策路として整備されていて、住民生活の間近で起こった自然災害の脅威を直に感じることができる。


持ち上げられた地形により、雨水が溜まり、湖水化した部分

街灯、電柱、交通標識などの上部が湖面から突き出ている。

部分的に見ると、一見、静かな山里の湖風景・・・・・・・

 
 西山山麓火口散策路は北口(駐車場)から第1展望台、第2展望台、幼稚園址を経由して南口(駐車場)へのおよそ1600mで その高低差はおよそ75mである。

 その隆起した旧国道230号の散策路を登ってゆく。今回、時間の都合で第2展望台まで登ってゆき引き返してきた。

 道端にはルピナスの花が咲いていた。

隆起はコンクリート道路を持ち上げ、あちこちに亀裂を生じさせている。

 下り坂だった コンクリート道路は持ち上がり、まるで階段状になってしまった。


途中には折れたコンクリート製電柱が・・・・・

    噴煙を上げる火口が点在している。(第1展望台付近)

第2展望台 遠望

第2展望台

頂上部から洞爺湖町、その向こうに噴火湾を望む。

お菓子の工場跡


  昭和新山

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