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- '04 東福寺 三門 -


 お寺の門は一般に「山門」と書きますが、東福寺の門は「三門」 ちなみに南禅寺、知恩院もそうです。


 何が違うのか調べてみました。
 山門は、中国でお寺を『○○山』と山号(さんごう)で呼んだことに由来します。たしかに知恩院三門にも「華頂山(かちょうざん)」の額があります。

 では三門は?といいますと、「三解脱門の略です。空(くう)、無相(むそう)、無作(むさ)という悟りに通じる三つの解脱の境地を門という形で表しています」ということ。

 空は「物事にこだわらない」、無相は「見かけで差別しない」、無作は「欲望のまま求めない」こと。

 皆さん何げなく通っていますが、本来は三門をくぐるのはそれなりの重みがあることなんですね。ちなみに中央、左右と三つ開いている扉口のどれが空門、無相門、無作門かは決まっていないそうです。どれも物事にとらわれないことを意味します。 そこから三門は五間三戸(柱の間が五つで、入り口が三つ)に造るのが基本ですが、実際には三間一戸のものもあるそうです。

 このように「山門」と「三門」はどちらも寺院の正門を表わしますが、前者が門のある場所を表わすのに対し、後者は仏教の教えを象徴する名前でもあるのです。

例えば、東福寺や知恩院の三門は、常に入り口を開放してあり、三つの解脱の道にいつでも自由に入っていくことができることを表わしています。 また、三門の両側には築地塀などがありません。 これは、三門が大門や総門のごとく、みだりに部外者が入らないようにする防犯上の門ではなく、仏教の教理を表わす象徴的な門であることを示しているそうです。


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