三丁目を左折して明治通りを行くとすぐ新宿四丁目の交差点に出る。これから新宿駅南口方向へ甲州街道が走っている。四丁目の交差点を通り過ぎてすぐ左側に天龍寺がある。
天龍寺境内の左手に“時の鐘”がある。江戸時代に時刻を知らせた鐘のひとつで、上野寛永寺の鐘、牛込市谷八幡の鐘と共に江戸3名鐘のひとつと言われた。
鐘にからんで東京近郊名所図会に
「時の鐘、天龍寺の鐘楼にて、もとは昼夜鐘を撞きて時刻を報せり。此辺は所謂山の手にて登城の道遠ければ便宜を図り、時刻を少し早めて報ずることとせり。
故に当時は、天龍寺の六つで出るとか、市谷の六つで出るとかいいあえり。新宿妓楼の遊客も払暁早起きして袂を分かたざるを得ず、因って俗に之を追出し鐘と呼べり」
とある。
これでひとまず内藤新宿史跡探索は終りである。 |