それを横目で見て斜め左方向の路を選びしばらく広い通りを進む。夏とはいえ結構肌寒い。ブルゾンの襟をたてて進む。
振り向いて凱旋門を仰ぐとライトアップされた姿がかすかに見えるが写真には写らなかった。やがて左に明かりの点いた建物があって少し人の行き来が見られる。よく見ると地下鉄の駅だ。フラッシュを焚くと若者が手を挙げて挨拶してくれた。
更に進むと突然うっそうとした林に入る。ここがブローニュの森だ。あたりがほのかに明るくなってきたが、このあたりは街灯で照らされたところ以外は暗い。対向者がたまに来るが、危険を感じたので用心に超したことはないと思い、反対の歩道に移って歩くことにした。
数百m歩いたところで、森に別れを告げるべく左へ進むと突然パリ環状高速道路の上に出た。ブローニュの森近辺は高速道路もトンネルになっている。
そこを通り過ぎて再び市街地に出る。ジョルジュマンデル大通りを一路シャイヨー宮目指して進む。市街地に入ると建物は5階建くらいがずらりで見通しが一切利かない。初めはエッフェル塔を目指して行こうと思ったが見えないので地図を頼りに進む。
シャイヨー宮が現れたところで突然視界が開けて眼前にエッフェル塔が出現。夜のライトアップに比して朝もやのまだ明けきらぬ空に非常灯のみをつけた雄姿はいつも写真で見てたものと違った感じだ。眼下のセーヌ川に降りてみる。川から見上げると一層雄大に見える。
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