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ミュンヘンからザールブリュッケンへ

- アウトバーンを行く -


 さていよいよ今回の出張の目的地ザールブリュッケンへ向けて約400kmの旅への出発である。


  ディスツリビューターのMr.H氏の 愛用ベンツ(もっともここではタクシーも全てベンツであるが)に必要機材を載せ、ヴエストパークホテルを 9:00 に出発。道路は一面の雪で轍の後が灰色の例の冬の風景である。

  自動車は当然右側通行で助手席に乗ってるんだけれども何だか勝手が違う。市街地をしばらく走ってすぐアウグスブルグ経由シュットッツガルツ方面へのアウトバーン8号線に乗る。

 これが噂に聞いたヒトラーが作ったアウトバーンだ。片側2車線の快適な道である。もっとも雪が積もって道の両サイドは境界もあまりはっきりしないが、車の走るところは雪が溶けている。


 交通量は多くない。但しみな凄いスピードである。われわれはだいたい時速150km程度で走行していたがこれをぐんぐん追い抜いて行く車が後を断たない。 

 市街地を抜けるとなだらかな丘の連続で、昔映画の「大脱走」にてスティーブ・マックイーンがオートバイで野山を脱走しているシーンとそっくりであった。標高は数百m程度で急峻な山などアルプスまで行かねばみあたらない。もっとも全て雪をかぶっていたが。

  アウグスブルグを過ぎて快調に飛ばし、やがてベンツ本社のあるシュットッツガルトに差し掛かる。もっともミュンヘンには BMV の一風変わった円筒形をした本社があったっけ。

 この郊外を通り、カールスルーエにてドライブインに入り休憩する。 ここでびっくりさせられたのはドライブインの建物の中に多数のNATO兵士がカービン銃を肩にかけて行き来する光景に接したときである。平和な日本では考えられない光景にちょっとド肝を抜かれてしまった。

  カールスルーエで8号線に別れを告げて5号線を北上、一路マンハイム方面へ向かう。ザールブリュッケンはカールスルーエの西方にあるのだが地形上直進できる道が無いため、やむなく北上しマンハイム経由で6号線に入り西に向かう。

  少し山間しさしかかると道の両側に杉(?)林があり、これが雪をかぶって 墨絵状に見え、晴れ間の無いドイツの風景でも少しは目を慰めてくれた。マンハイムを過ぎて少し行くとライン川を渡る。もっとも車で渡ったのであっという間でなんの感慨も残らなかったが。

  そうこうするうちに国境のザール州都 ザールブリュッケン の町並みが見えてきた。

 今日から一週間の予定でこの街に滞在する。ホテル「ノボテル」から歩いて数分で フランス国境、道にはパリまで200km の標識がある。道に遮断機のバーがあるだけの国境でなんとも隣国が身近に感じられる。

 先ずはホテルに入り、疲れを癒すことにしよう。



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