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菊花壇展 
その3



一文字菊、管物菊花壇 (いちもんじぎく、くだものぎくかだん)



 木の素材をいかした障子屋根の上家に、一文字菊13品種97株、管物菊13品種97株の計194株を22列に1本仕立てで植え込んだ花壇です。

 一文字菊は一重咲きで、花びらが平たく幅広く伸びるのが特徴です。この菊は御紋章菊ともよばれています。

 管物菊とは、すべての花びらが管状になっている菊で、花びらの太いものを太管物菊、細いものを細管物菊、その中間の太さのものを間管菊とよんでいます。

 この花壇に用いるのは細管物菊で、一般に栽培されている玉巻性のものではなく、細く長く雄大な花びらを持つ品種で、新宿御苑で独自に作り上げた品種を用いています。


肥後菊花壇 (ひごぎくかだん)

 竹の素材をいかしたよしず張りの上家に、35株の肥後菊を3列の互の目に植え込んだ花壇です。

 肥後菊は、18世紀末に肥後(熊本)地方で、藩主・細川公が藩政施行にあたり文化政策のひとつとして、栽培が始められ発達した古典菊です。清廉なこの菊を例に、武士道の意義を説いたといわれています。

 藩外への流出を固く禁じるなど、長い間門外不出の秘花でしたが、藩士・秀島英露が栽培方法や花壇様式の作法を考案した、『養菊指南書』を著し、全国に広まりました。


大菊花壇 (おおぎくかだん)

 木の素材をいかした障子屋根のよしず張りの上家に、大菊の厚物と厚走りの39品種311株を1本仕立てにして、黄・白・紅の順序に、45度の角度で1列1種として植え込んだ花壇です。

 配色の美しさが昔の神馬の手綱の模様に似ていることから、このような植え込みの技法を手綱植えと呼んでいます。

 厚物は、花びらの先端が中心に向かってうろこ状に丸く盛り上がって、手まりのような形になるのが特徴です。厚走りは、一番外側の花びらが長く飛び出ています。

 1本1本の花の美しさはもちろんのこと、各列に並んだ花の整形美や色彩の変化、これに調和する建物の総合美を鑑賞します。 


  

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