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秋田竿燈まつり
(その1)

 真昼の暑さもようやく静まる夕暮れ、瞬く間に通りが光の稲穂で埋め尽くされる。まさに夏の夜空から降りた天ノ川。
その数なんと230本、1万個におよぶちょうちんを操るのは、旧市内の37町内、職場、企業のより抜きの差し手若衆。勇壮なお囃子の音と「どっこいしょ」の掛け声とともに、1本約50キロの竿燈を額、肩、腰へと軽々と移し変えていく様は、観衆の心を幻想と感動の世界へと引き込んでいく。

 竿燈(国重要無形民俗文化財)の起源は、宝暦年間(1751〜63)に遡ります。豊作祈願と古くから伝わるねぶり流し(不浄を祓い悪霊から身を守る)行事が結びついた禊ぎの行事です。
以来、秋田藩久保田城下の町民たちによって受け継がれ「竿燈」と名付けられたのは明治14年。明治天皇東北巡幸の際、天覧に供しようと県に提出された秋田市からの伺い書に使われたのが始まりで、中国・北宋時代に編さんされた禅宗史である景徳伝燈録の「百尺竿頭須進歩」に由来するものです。

 秋田藩史庶民の文化風俗を伝える行事として約250年。今では県内外、海外からも多くの人が訪れ、秋田を代表する夏祭りとして親しまれています。
(秋田市ホームページより)

竿燈の大きさや重さは、
種類 用 途 重さ(kg) 長さ(m) 提灯の大きさ
(cm)
提灯の数(個)
大若 大人 50 12 64×45 46
中若 大人 30 9 48×36 46
小若 小学生高学年〜中高生 15 7 48×36 24
幼若 小学生低学年以下 5 5 30×21 24


竿燈妙技


平手:

 高々とかざし上げて見せる、力強く豪快な竿燈の基本技。前の差し手は継ぎ終わるまで静止し、持ちこたえる。

二本目の継竹を足し、手のひらにかざして静止。指の間からずらして次の差し手に余裕を持って流す。

額 :

首の根っこが座った、重量感あふれる技。

前の差し手から利き腕の手のひらで受ける。
指の間から静かにずらしながら額に乗せる。
静止して、両手を大きく開いてバランスを取る。



肩 :

差しやすく、もっとも覚えやすい技。

利き腕の手のひらに受けて静止。
利き腕を曲げないでまっすぐ肩に降ろす。
利き腕をまっすぐに伸ばし軸足と肩を一直線に。
片手で持ち上げ次の差し手へ。



腰 :

かなりの修練が必要で派手な技。

利き腕の手のひらに受けて、持ち上げ静止させる。
指の間からずらして腰にのせ、上体をほどよく横に傾ける。
両足を開いてバランスを取る。


勇壮なお囃子の音として 笛、太鼓がいっそう華やかさ、賑やかさを添える。

  

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