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高級ラジカセ 『 CelebrityU』 の 修理
その1

1. SONY MD-7000こと 『 CelebrityU』 の紹介



 巨人-SONY が作った小さな巨人、CD電蓄、セレブリティ MD-7000。

 この小さな巨人から、なかなかの音が出る。

 今を去る12年ほど前(1998年)、ソニーミュージックエンタテインメントの30周年記念として営業マンが高級ラジカセ "Sony CelebrityUMD-7000" を会社に実物持参で訪問販売に来た。

 その高級感と音のよさに 当時ステレオシステムのスピーカが経年変化により劣化してきていたこと、スペースを取りすぎていたことなどから購入した。
 
当時で20万円超の価格だったので会社の仲間からは "物好き"扱いされたものだった。


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 そのセールストークは

《SONYの30周年記念モデル各部材に高級素材を使用した高級オーディオシステム》
    − ジウジアーロの協力を得てつくりあげた、夢の結晶 −

プライベートルームでの小音量再生でも繊細で伸びのある高音質
3D方式スーパーウーファー採用での迫力の重低音
スピーカーとボディの共振をしっかり抑制。
安定したサウンドを生むため本体両側にマホガニーウッドを使用したズッシリ・ボディ設計。
あたたかく、重厚感のある音を生むの木製スピーカーボックス。
音を効率よく、ワイドに広げるように工夫されたサランネット。

   フルレンジ+スーパーウーファーの構成から中低音が豊かで聞きやすく落ち着いた品のある音で、長時間聴いていても疲れないし、近くで聴いていても5m位離れてもいい音がしてリラックスして音楽を楽しめます。

であった。

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  その実力はうたい文句どおりで全音域で豊かな品のよい音を奏で続けてきた。

スピーカー フルレンジ:6,5cm コーン型 4Ω×2
スーパーウーファー:10cm コーン型 4Ω×1
入力端子 LINE IN (ピンジャック)×1
最小入力レベル 0,43Vrms 0,87Vrms
入力インピーダンス 47Ω
出力端子 LINE OUT (ピンジャック) 0,63Vrms(負荷インピーダンス 10KΩ時)
PHONES (ステレオ標準ジャック)
負荷インピーダンス 16〜68Ω
外形寸法(mm) W510×H223×D260
重量 13kg

2. 修理への挑戦
  ところが数年経ってから気が付いたが、高級オーディオパーツをふんだんに使ったはずなのに、初期・経年使用による不良が多い。(幸い、初期不良は無かった。)
 
 先ず、MDの着脱不具合。これはMDをあまり使わなかったので殆ど気にならなかった。その後、いつの間にかあまり聞くことも無く十年余りが経過して、2010年に拙宅の老朽化に伴い、取り壊して新築したが、そのとき、さすがに CelebrityU を処分するのを躊躇してそのまま保管していた。

 たまたま2012年暮れに AMラジオを聴きたくて、Celebrity Uで 高音質で聴くことを思い立った。調べてみると液晶表示が見えない、更にはCDもちょっと聴いてると途中で 停まってそのまま音が出ない、AM、FMを聴いてると途中でMDモードに切り替わってしまうなどの症状が発生。

 Webで調べると、
  ・Celebrity Uは某オークションでは、今でも常に3万円前後で取引されていること。
  ・初期・経年使用による不良が多い。
      代表的なクレーム....
         1) CDピックアップ不良
         2) MDピックアップ不良
         3) CD開閉ボタン・操作ボタン・インシュレーターべとつき
         4) 液晶表示見えず
      など。

 そこで、近くのオーディオ工房で修理してくれそうなので、問い合わせると、先ず、一般的にオーディオ機器のメーカー保守品保有期間は八年である。既に、メーカーでは保守部品はない。
 Celebrity Uの修理は全国から来ていて、早くて数ヶ月かかる とのこと。
 
 液晶は経年変化で表示部分が見えなくなっていた。これは駆動条件を変えて馬力を加えても駄目と判明。
 液晶が見えるものに交換できなければなにも数ヶ月かけて 修理代数万円を払うつもりも無いので、自分で修理することにした。

3. 修理
(1) 接触部清掃、再組み立て
 昔取った杵柄で、
   ・電子部品の寿命は殆ど永久(残念ながら液晶はこの範疇では無かったが・・・・・・・)であること
   ・不良は機械部品の磨耗、コネクタ部品の接触不良が大半であること
と悟っているので、分解、接触部分の活性化を実施、再組み立てすることで 目出度く 液晶表示を除いて、再生した。

(2) その後の不具合
 直ったと思ってしばらく使っていると、突然、AM/FMからMDと勝手にモードが切り替わってしまう。また、CD→MDも同様である。(頻度はかなり低いが・・・・・・・)
 また、電源OFFの状態にしておくと たまに勝手にONしてMDモードになっている。
 これは 室温が高いときに起きるような気がする。
【原因究明】
  このマシーンはどうも 起動のホームポジションがMDになっているようだ。従って、MD関係の電子回路動作環境をがっちり押さえないと なにかあるとすぐ MDモードに転移するようだ。
 webで調査してみるとある修理サイトに"MD関連回路のアースが本体と未接続で勝手に電源ON現象が起き、しっかりアースを取ることで直った"との記述があった。
 我が家の動作もこのように電子回路動作が不安定で、何らかのノイズ(温度上昇など含む)がトリガーとなりMDモードに転移することが十分考えられる。
【対策】
  (@) 分解し、MDがらみのアース強化をする。
  (A) MDは使わないので、出来ればMDが動かないように回路動作を固定する。
【結果】
  アース強化。各プリント板のアースをそれぞれ 太めのリード線で接続、且つそれを筺体に接続したが、結果は変わらなかった。
 さらにMDがらみの接続を外してみたが全体が動作せず。回路図が無いので個別対策の手の打ちようが無い!

 結局、対策は不備に終わった。

4. 処分
2017年7月、結局、動作が不安定のままで、スピーカー機能も電源ON状態でしか使えないため、不便この上ないため、ついに処分することにした。
 そこでくだんのオーディオ工房に無償引取り提案をしたら、近くの○ードオフにて、壊れてても有償買取をしてくれるとの紹介を受け、多少の心残りはあったが 金3,000円にて処分した。

 

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