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大円寺 (その1)


目黒駅の西口を出て、すぐ左手の歩道橋を渡ると、角のビルの裏手に目黒川に下る細くて急な坂がある。この坂は行人坂といい、かつて目黒不動参詣の道としてにぎわった道である。

 坂を下り始めて間もなく、左手に天台宗大円寺がある。この寺は、江戸の初期、元和年間(1615年から1624年)に湯殿山の行人、大海法印が建てた大日如来堂に始まると伝えられている。

 山門を入るとまず目につくのが、境内左手のがけに沿い幾段にも並ぶ石仏群である。初めてここを訪れる人はその数の多さに目を見張ることだろう。 

  釈迦三尊像、五百羅漢像などから成る520体ほどの石仏像は、昭和45年、都有形文化財に指定されている。

  石仏群は振袖火事、車町火事と並んで江戸三大火のひとつである明和9年(1772年)の行人坂火事の犠牲者供養のために、石工が50年という歳月をかけて完成したといわれている。

  一体一体をよく見ると穏やかにほほ笑むもの、ほおづえをついて考え込んでいるもの、泣き出しそうなものと、その表情は実にさまざまで、個性あふれる石仏群を見ていると親しみがわいてくる。




三猿庚申塔

   みがわり地蔵尊

    "お地蔵様二躰でわざわい・なんぎなど右左・左右をいれかえていただける信仰です。" とある。

 

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