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輪島港と朝市

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 早朝、宿舎に近い輪島港(A地点)を訪れてみた。

 輪島港は 中世には、三津七湊の七湊の一つに数えられ、近世からは北前船の寄港地として栄えた。
日本海を航行する船舶にとって、能登半島沖は通過が困難な難所であり、能登半島の先端に近い輪島港は寄港地・避難港として適していた。

三津:
安濃津(伊勢国)、博多津(筑前国)、堺津(摂津国)

七湊:
三国湊(越前国) 、本吉湊(加賀国)、 輪島湊、 岩瀬湊(越中国)、 今町湊(越後国)、土崎湊(出羽国)、十三湊(陸奥国)



 輪島のメインストリート河井本町通り通称朝市通りの道の両側に朝市の露店がずらりと並ぶ。

 道路両側の商店街の人々は無償で店先を占領されながら文句を言わない。共存共栄であるらしい。

 売るものも女、買うものも女、女ばかりの朝市。町の一日は、朝市の呼び声から始まると云われる。

 売り手が朝市に坐る場所は親から子へ、子から孫へと何代も引き継がれているらしい。

野菜や穀類、果物その他季節季節の花などを売る人たちは、輪島周辺の農村から出てくる。 生きのいい魚や貝・海苔・ワカメなどは主に輪島崎や海士の漁師町の女衆が売りに出る。

市は婦人のリクレーションの場であり、婦人が家庭の煩雑からしばし解放された憩いの場でもあり、情報交換の社交の場でもあると言われる。

 輪島おんなは働きものという定評があるとおり、「亭主のひとりやふたり、やしなえない女は、女の風上に置けぬ甲斐性なしだ」と自負しているのが輪島女の意気地とか。

 そんな朝市を輪島港からの帰りに覗いて見た。上の地図でB地点からC地点が朝市通りである。

先ずは生きのいい魚や貝・海苔・ワカメなどは主に輪島崎や海士の漁師町の女衆。
 値段は有って無きようなもの、アメ横よろしく次々にオマケの甘エビなどの笊を載せてゆき、"どう?これで1万円!"などとやる。
 朝市で売られるものに「値札」はあまりついていない。いわば1人1人が売り子でありまた、社長でもある。だが、買い手も売り手も満足して取り引きしている。

 しかし、新鮮な魚介類も近くで消費するぶんにはそれなりに新鮮だが、我々旅行者には帰宅までの時間で鮮度が落ちるため、あまり旨みが無いのが現実である。 






  

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